やまと通信     11月号
                              Vol.18
〜 わ が ま ま 〜      
 
 今月は、私がどんなことに気をつけながら授業をしているのかということを書かせていただきます。
 まず一つ目は、
「子どもを伸ばす  北風より太陽を!」
という言葉です。 
 この言葉は、もちろん私のオリジナルではありません。これは、関西の方で塾をしていらっしゃる方の言葉で、子育ての極意だということです。
 実は私、とても短気でして、小、中学生の頃はすぐに人に手を出す”恐ろしい”生徒でしたし、いまでも普通の人よりも短気な方だと思っています。だから、いくらいっても勉強をしない生徒、全くやる気のない生徒、いくら注意しても態度がよくならない生徒などを見るとすぐに怒鳴ったり、ときには手をも出していました。(注:以前働いていた塾などでのことです。)
 しかし、いくら怒鳴り、起こり、叩いたとしても、子どもにやる気を出させたり、言うことを聞かせるということはできなかったのです。できたとしても、一時的なもので、その一時を過ぎてしまうと、むしろ以前よりもひどくなるということの方が多かったようです。
 ではどうするのか。まずは私の授業と子どもたちへの接し方に問題があると考え、自分を変えていきました。
 とにかく、“怒らない”ということをその第一にしました。怒ってもダメだったのだから、怒らずに他の方法を採ればよい、採るしかないということです。何かよくないことをしたり、すべきことをしないときでも、とにかく怒らずに”注意”するということをしました。
 本人たちはしてよいことと悪いことはだいたい分かっているけれども、どうしてもそれができずに苦しんでいます。だから、頭ごなしに怒ったりけなしても逆効果なのですね。そうではなく、してはいけないことをしそうなときにはそっとおさえてあげる言葉をかける、また、しなければならないことができないときには、そっと背中を押してあげるような言葉をかけることにしました。
 しかし、そうしようと決めたところで、私も生徒たちもすぐに変わるわけではもちろんありません。ところが、数ヶ月もすると私も生徒たちも変われたのです。
 それ以来、いまの私の塾でもとにかく怒らずに、根気よく生徒たちと関わり合っています。とても時間のかかる方法なので、保護者のみなさんにはいらいらさせるようなことかもしれませんが、人を育てるには、いや、人間と人間が”よく”関わり合って行くにはこの方法しかないと思っています。どうぞご理解の程よろしく御願いします。
(授業の方法、なぜ個別を選んだのかということはまた別の機会にて。)
  さて、もう一つ私が気をつけていることといえば、生徒たちの”わがまま”はギリギリまで聞いてあげるということです。
 これはもちろん、一つ目の「子どもを伸ばす  北風より太陽を!」に大きく関係してきますが、とにかくこちらの言うことを聞いてもらいたかったら、相手の言うことを聞かなければならないと思います。
 親だからとか、あなたのためなのだからということで、一方的に人に(子どもに)命令したところで、まず期待通りに動かないでしょうし、動いたとしても将来につながるようなことはあまりないのではないでしょうか。
 私は最近、子どもにとって、人間にとって生きていく上で大切なことの1つは、”表現すること”だと考えています。
 最近の10代の子どもたちよる目に余る犯罪は、”表現”することができなかったことが一要因ではないかと思います。つまり、それまでは親や先生の言うことを黙って受け入れるばかりで、いやなこともいやといえず、やりたいこともやりたいと言えないそのストレスがあのような事件を引き起こす原因の一つだったのかもしれません・・・
 だから私は、「〜をやってほしいんだけどいいかな?」とたいてい生徒たちに尋ねます。そして、だいたいは私の提案(半命令)を受け入れてくれますが、生徒自身がそれよりも勉強しなければならないこと、したいことがあるときは「・・・したい」とちゃんと言ってくれます。
 私はより効果的な勉強の方法やテキスト、プリントなどを日々研究していますから、勉強においては彼らをリードできますし、しています。しかし、私は生徒全員の生活や学校での予定などをすべて知る由はありませんから、そのときどきで、彼らの都合、よりよい選択というものがあって当然なのです。また、人はただ生きているわけではありません。いろいろ悩み、疲れることもあります。そんなときは、いつもよりも少し勉強の量を減らすことは至極自然なことだと私は考えています。
 
 うまくまとまりませんでしたが、今月はこのへんにて。
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