やまと通信     5月号
                                  Vol.36
〜 生 き る 力 〜
 
 いよいよこの4月より、新学習指導要領が始まりました。今回の指導要領で注目すべき点は、何て言いましても、「週5日制」と「総合学習」でしょう。そのどちらもが「生きる力」を目的としていますね。
 しかし、「生きる力」とは一体どういうことなのでしょうか。
 
3つのこと
 私は大学生時代に哲学や心理学などを少し勉強しながら思い至ったことがあるんです。それは、「人間には3つのことしかない」ということです。
 その3つのこととは、「しなければならないこと」「できること」「したいこと」です。つまり人間が考えること、することはこの3つのいずれかに該当するか、これらの3つの混合でしかないと思ったのです。
 ですから「生きる」といいましても、「生きなければならない」のか、「生きることができる」のか、「生きたい」のか、いずれかになります。または「生きなければならないのは確かだけど、どちらかというと生きていたいと思うし、生きることができる。」となる場合もありますし、「とても生きていたいのだけど、生きていることができない」という場合もありますが、いずれにしましても、3つのことの混合ですね。
 では、「生きる力」とはどういうことなのでしょうか。
 私が考える「生きる力」には2つあります。
 まず、一番すばらしい、そして強い「生きる力」とは「生きたい」と思わせる力です。親に「生んでくれてありがとう」と思ったり、「早く明日にならないかな」なんて寝るときわくわくしてしまうといった気持ちを持たせる力です。しかし、悲しいかな、今の日本ではそういった気持ちを子どもたちに持たせてあげるのは難しいかなと思うんです。
 2つ目の「生きる力」は、「生きることができる」ようにする力です。
 つまり、私たちは死ぬまではどうしても生きなければなりません。そしてその中で、「よりよく生きることができる」、「より楽しく生きることができる」ための力、それが私の考える2つ目の「生きる力」です。
 
〈三つの力〉
 その「生きることができるための力」をもっと具体的に考え、実践していらっしゃる方がすでに日本にも何人もいらっしゃいます。そのなかでも今私が一番注目しているのが、明治大学助教授の斎藤先生です。斎藤先生は『声に出して読みたい日本語』で一躍有名になりました。先生の著書は他にもたくさんあるのですが、そのなかでも総合学習、「生きる力」を考える上でとても役に立つのが、『子どもに伝えたい〈三つの力〉』です。
〈三つの力〉とは、〈まねる盗む力〉〈段取り力〉〈コメント力(要約力・質問力)〉の三つです。つまりこれらは「厳しい状況に放り出されたとしても生き抜いていくことができる力」(P4)だと斎藤先生はその著書の中でおっしゃっています。
 だからといって現在の勉強が不要かというと、そうではありません。むしろ現在の「ゆとり」は日本将来の危機につながるかもしれないと斎藤先生は危惧しています。現在ではおろそかにされがちな「読み・書き・計算」をもっと本格的やるべきで、それらをベースに、社会で「生き抜く力」として〈三つの力〉が必要だとおっしゃっているのです。
 
どうしますか?
 では、どうやってこの「生き抜く力」を養えばよいでしょう。じつは、斎藤先生が子どもたち相手に塾を開いています。そこに通えればよいでしょうが、なかなかそうはいきません。
 そこで私は松戸市の総合学習の時間に斎藤先生の実践をやってもらいたいのです。松戸・地域と学校を考える会という市民活動をしていますが、こちらを通して教育委員会などに積極的に働きかけていきたいと思います。どうかみなさんも応援してくださいね。
 ちなみに、6月末にに六実の市民会館で、斎藤先生をお呼びして、この3つの力を中心に子どもへの教育についての講演と、斎藤メソッド塾のデンモストレーションをしてもらうかもしれません。そのときは、是非とも皆様ご参加の方をよろしく御願いします。

 

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