やまと通信     6月号
                                  Vol.37
          〜 人 間 関 係 〜
 
 塾の先生という存在は、生徒たちにとってどういったものなのでしょうか。おそらく、学校の先生とは違う、ましてや親とも違う、かわった存在の大人なのでしょう。
 塾とは、学校のように、すべてが決まり事で息苦しい場所とは違い、親と子の関係のように、法律上も事実上もお互いにかなりの責任が生じてくる関係でもありません。ある意味、非常に自由で、成績さえ上げればよいという、楽な(無責任な)場所のようです。
 しかし、そういう場所、そういう大人が子どもたちにとっては(いや、本当は大人にとっても)必要な場所なのだなあと感じることもしばしばあります。
 たとえば、生徒たちは、よく学校でのことを話してくれます。面白かったことや、うれしかったことも話してくれますが、いじめやいやな人間関係についてもよく話します。心にそういった引っかかるものがあるときは、塾に着くやいなや、10分ぐらいすごい勢いで話します。10分間という時間はとてももったいないと思われるでしょうが、もし私がその10分間を惜しんで、その子の話を聞かなかったら、その生徒はその日、最後まで集中して勉強はできません。つまり、そのあとの80分を頑張ってもらうために、最初の10分間はしっかり話を聞いてあげることが大事なようです。
 
いじめ
 先日もそういった生徒の話を聞いていて、「この子は半年あまりでずいぶん成長したなあ」と思うことがありました。
(以下、その子の発言です。もちろん、多少、言葉は変わっています。)
 今学校でいじめられている女の子がいるんだけど、その子は今までかなりやりたい放題やってきたから、いつかはこうなるとは思っていたんだ。でも、女の子1人に、数人の女の子だけじゃなく、数人の男の子も一緒になっていじめてるんだよ、ひどくない。しかも、いじめる理由が、その子がいきが(・・・)っている(・・・・)からと言ってるんだけど、端から見れば、そいつらだっていきがってる(・・・・・・)んだよね。結局はお互い様なのに、どうしてそういうことするんだろう。
 私も○○ちゃんのこと好きじゃないから、いろいろな言動にむかつくことがあるけど、そんなのいちいち気にしないことにしてるし、話そうと思うときは普通に話してるんだよ。
というような内容でした。この半年あまり、その子の話をいろいろと聞いてきましたが、この話を聞いて、「ああ、子どもたちって、毎日そういったやりとりを通して、劇的に成長しているんだなあ。」と感動してしまいました。
 
勉強
 たしかに今の日本で生きていく上では、受験勉強はできるに越したことはありません。しかし、あまりにも受験勉強に目を奪われてしまっているので、われわれ日本人は、ものを創る喜び、音楽などの芸術に心からのめり込むことを軽視していますよね。(何せ、今中学校では、音楽と美術の時間が週1回ですからね・・・) また、人間関係をちゃんと築いていけるような勉強や、自分の感情をコントロールする勉強、他人と感情的にならずに話し合えるような勉強などもまったく行われていないような気がしますよね・・・(てことは、総合学習の時間てすごく有効に使えるはずなんだろうけどなあ・・・)
 
人間関係
 さて、もう一度生徒たちの人間関係のお話ですが、現在やまと学院.には20名程度しか生徒がいません。しかも、教師1人に生徒が2人、多くとも3人なのですが、それでも生徒同士、生徒個人と教師、生徒たちと教師の関係は複雑なものがあります。お互いによい関係を築き、それを保っていくためには、ものすごいエネルギーが必要だと日々感じています。そしてそれは、教師の側が一方的に頑張ってもダメで、生徒同士、生徒と教師、そして生徒と保護者、保護者と教師それぞれが、お互いに努力し、信頼することでしかできないことなんだと思います。
 少ない塾での時間ですが、成績を上げることとともに、少しでもそういった人間関係をお互いに学べる場にできたらと思います。

 

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