やまと通信     1月号
                                   Vol.44
〜 幻 想 〜
 
 早いもので2002年ももう終わろうとしております。
 現在やまと学院.に在籍している生徒の半分は今年の3月以降に入会していただいた生徒ですが、最近になって顔つきも、勉強に対する態度も、やる気も、理解力も見違えるように良くなってきています。
 また、これはよく見られる現象なのですが、勉強が苦手な生徒の多くは字が、いわゆる「ミミズ文字」で、筆圧も弱く、小さい文字を書きます。それが、毎回多くの英語を練習し、計算をくり返していると、だんだんと字がきれいに、そして筆圧が強く、しっかりした字になってきます。そうなってくると、計算もかなり身に付いてきますし、間違いも少なくってきますし、他教科の理解、暗記力も高まってくるようです。
 
これからも
 そして、成績の良くない多くの生徒は、能力がないのではなく、それまであまりにも勉強に取り組んでこなかった結果。また、そのことをまわりの大人に気づいてもらえなかった、もしくは無視されてきた結果なのだと、つくづくこの4年間で感じました。半年、1年、早い生徒ですと3ヶ月ぐらいで、かなり成績が上がってきます。そして、理解度が高まって来るにしたって、だんだんと落ち着いたいい顔つきになってくることからも、そのことがよく分かります。
 また、おそらく勉強が苦手だったことが、かなりその生徒を苦しめてきたのだろうなとも感じます。勉強が分からない。それでも学校の授業中静かに座っていなければならない、さらに、分からなくても誰にも聞けない。それは拷問以外の何ものでもないと私は思います。そういった生徒をこれからも1人でも2人でも救っていけたらなと年の瀬に思う今日この頃です。
 
教育改革の幻想
 さて、その一方で、勉強を押しつけられすぎて苦しんでいる生徒もいます。幸いにして、現在やまと学院.にはそういった生徒さんはいませんが、世にはかなりいると思われています。
 そのため、10年ほど前から、「ゆとり」「脱・受験競争」なるものを文科省は掲げ、今年度から実施されています学習指導要領を作り上げてきました。しかし、先月読みました『教育改革の幻想』(苅谷剛彦 ちくま新書)によると、「異常なまでの受験戦争」、「詰め込み教育」というものは、単なる空想でしかなかったそうです。つまり、教育関係者はもとより、多くの一般庶民や保護者も、「いまの子どもたちは勉強ばかりやらされていて、まったくゆとりがない」と思ってきました。ところが、それを裏付けるデータを私たちは検証したこともなく、単にイメージだけでそれらを声高に主張してきた、いやいまも尚、そう思っている方が多いと思います。
 たしかに、ゆとり教育や脱受験(推薦入学制度)を進めてきた結果、過度に勉強に取り組まされていた生徒の数は緩和されたようです。ところが、過度に勉強に取り組まされていた生徒の絶対数がもともと少なく、結果そういった制度によって救われた生徒はほんのわずかでした。逆に、そういった制度によって起きている大きな問題は、そういった制度を導入する前から増えつつあった、「ほとんど勉強しない」「まったく勉強しない」生徒の数が、激増してしまったことだそうです。
 勉強、特に受験勉強はつらいことの方が多いです。しかし、知識は力です。中学校で学ぶことはどれも大切です。毎日の新聞記事は中学校の5教科の知識なくしてはほとんど理解できません。逆に、その程度の知識さえあれば、かなりの情報を理解し、みずからの行動決定時に大きなアドバンテージとなるはずです。
 そして何よりも、子どもたちは「学ぶ」ことが大好きです。分かれば分かるほど、できるようになればなるほど、知識欲は高まってきます。そういった意欲を培い、よりよい人生を歩んでもらえるよう、生徒共々頑張って参りたいと思います。どうか、来年もよろしく御願いします。

 

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