やまと通信     12月号
                             Vol.55
〜 大 学 院 〜
 
 日本でもいよいよ大学院の時代がやってきそうです。いままでは、一部の理系の大学以外は、何のための大学院かと疑問に思う大学院ばかりで、大学院に行けば、それだけ就職率が悪くなるようなところばかりでした。
 しかし、来年の4月より、ロースクール(法科大学院)という、法曹界への新しい(将来は唯一の)道ができます。この大学院のいままでの違いは、大学は法学部である必要はなく、むしろ、他学部でいろいろなことを学んだ生徒が、何かの問題にぶつかり、その結果、法曹界に入りたいと思った生徒を望んでいるようです。その証拠に、多くのロースクールの入学試験は、いわゆるAO入試と呼ばれるもので、学科試験は基本的にはなし、論文と面接で、本当にやる気と能力のある人を選ぶようです。
 またロースクール以外にも、国際的に活躍できる人材を育てるという方針から、今後トップレベルの大学を中心に大学院を一新するようです。
 
 以下は、早稲田、中央、青山、慶応大学の大学院の教授方の言葉です。
「小・中学校のときは基本的な学力を、高校段階では教養をきちんと身につけてほしいと思います。いろんな本を読むことが大切です。それに、かなり高度なものが読めるくらいの英語の力を身につけてほしいですね。」
「国語や数学、理科、社会、それに英語といった中学、高校での勉強が将来、必ず役に立ちます。それから、いつも社会の動きに対して敏感な姿勢を身につけておくといいでしょう。将来ビジネスで活躍するためにセンスが養われるはずです。『ただやらされる』のではなく、自分から勉強する姿勢を大事に育てていってほしいですね。」
「中学・高校で最も必要なのは社会性を養う教育だと思います。人に対する思いやりや配慮、社会で守らなければならないルールなどを身につける必要があるでしょう。単なる断片的な知識の量だけで人間の価値を決めてしまうのでは、取り返しの付かない社会になってしまいます。知力、体力、精神力のバランスが大切です。長期的視点に立って子どもの教育を考えてあげられるといいですね。ときには道に迷ったり、回り道をするのもいいと思います。子どもは自分なりの出口を探し出すでしょう。」
「これからは社会に出てからも、夜間や週末に勉強するチャンスが増えるでしょう。企業の丸抱えではなく、自分の責任で勉強していかなければなりません。中学・高校生には問題意識を持ってほしいですね。たとえば、環境問題や政治などに無関心では困ります。それに英語も必要です。文法や英文和訳などの受験英語ではなく、話せる、聞けるというコミュニケーションできる英語力です。それと、子どものうちに頭を消費してしまわないほうがいいかもしれません。無理矢理記憶したことはあまり役に立ちませんから。自分で考え、行動することが大切です。」
(以上すべて「私立中高 進学通信」栄光 p32~36)
 
 人によって、中学・高校での勉強に対する意見は異なりますが、私の経験では、頭は使えば使うほどよくなりますし、無理矢理覚えたことでも、必ず役に立ちます。
 ところで、すべての先生方がおっしゃっていることは、「自分で考えて行動する」ことこそが大切なことだというです。しかし、「自ら考えて行動する」には大きく力強い「心」が必要だと思います。しかし、現代の多くの子どもたちは、その「心」をしっかりと育ててもらっていない、もしくは、小さいころに消費しきってしまっていると思われます。(先の先生の「子どものうちに頭を消費してしまわないほうがいい」というのは勘違いで、実際に子どものうちに消費してしまっているのは、「心」なのでしょう。)
 私にもまだまだよく分からないことなのですが、「心」を育てるには、第一には親や周りの人たちからの「愛情」であることは間違いないでしょう。しかし、その愛情表現がおかしかったり、間をはずすと、逆効果になるようです。
 そして、最近思うことは、「心」は自ら育てなければならないものではなかろうか。つまり、子どもたちは、何か自分の意思で動きその結果を享受する。つまり人間が森から平原に踏み出したときのような勇気ある一歩を、子どもたちも何らかの形で踏み出す必要があるのだと。
 そのためめの環境作りや、踏み出した後の心休まる場所とをしっかりと用意してあげることしか私たちにはできないような気がします。
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