やまと通信     2月号
                             Vol.57
〜 小論文 〜
 
 いよいよ受験シーズン到来です。すでに進路が決まった生徒さんもいますし(おめでと〜!)、これからテストを受け始める生徒さんもいます。公立志望の生徒さんはこれからが、入試本番です。くれぐれも体調管理には気を付けて下さいね。
 それから、あと1ヶ月では、自分の学力は変わらないなんて思っている受験生は、大きな間違いです。高校入試ぐらいの問題ならば、1ヶ月本気で取り組めば、見違えるほど学力は上がります。とくにこの1年間基本をしっかりと取り組んできましたから、まだ合否のボーダーライン上にいる生徒さんは、この1ヶ月を大切にして下さいね。
 
 受験といえばもう一つ、2年前から始まった特色化選抜試験ですね。これはいわゆる自己推薦入試です。偏差値55以上の県立高校では、標準問題を独自に作成し、それをもとに合否を決めていきますが、それ以外の大半の高校では、作文と面接によって合否を決めます。ただ、しっかりと作文が書けても不合格になり、半分も埋めていないのに合格する。また、内申点が高いのに不合格になり、低くても合格するなど、特色化選抜の合否の基準は、実はよく分かりませんが…
 しかし、基準がわかないとはいえ、何も対策をしないで生徒達を試験に向かわせるのは心許ないですから、1月中の土曜日を利用しまして、3年生には毎週、作文の個人レッスンをしています。題材は良く出題される「高校での抱負」「中学での思い出」「大切なもの」という3つについて練習します。
 中学校の最後にこれらの題材に取り組むというのはとても良いことだと毎年思いますね。中学生の時期とは、初めて親の元を少しはなれ、社会の善悪の両面をほんの少し見始め、そして自分の将来について少しリアルに考え始める時期です。その最後の時期に、自分の中学校生活はどうだったのかということを振り返り、そしてほんの少し未来のことを想像し(デザインし)、自分にとって何が大切なのかを考える。
 たしかに、これぐらいでは、自分の心の深いところまで見ることはできないでしょうし、15歳ぐらいではまだまだ自分を客観視することも難しいでしょう、しかし、この時期に少しでも自分というものを見直すということはとても大事なことなのだと思っています。
 だから、くだらない学校の国語の授業は、是非やめてもらって、3年生の3学期はずっと作文の授業にしてもらいたいですね…
 
 特色化選抜では「作文」です。作文とは、基本的に、事実を書き、その事実に対して自分の意見や感想、その理由などを書くことです。これは何も相手に納得してもらうことは念頭にありません。作文とは、そのひととなりと多少の国語力を見るだけです。それに対して、小論文とは、論理を駆使して相手に自分の意見を納得させるものです。
 最近、小論文について少し勉強しておりましたら、小論文を書くことは、とても良い勉強、それこそ総合学習なのではないかと思いましたね。大学受験用の参考書に「読むだけ小論文」(樋口裕一 学研)に、次のようなことが書かれていました。
 文章は5W1H(WHEN, WHO, WHERE, WHY, WHAT, HOW)を考えて書けと言われる。しかし、これは作文のためのものであって、小論文には通用しない。
 私は小論文の場合、3WHAT, 3W, 1Hを考えることを勧めている。3WHATというのは「それは何か(定義)」「何が起こっているのか(現象)」「何がその結果起こるのか(結果)」。3Wとは、WHY(理由、背景)、WHEN(いつからそうなのか、それ以前はどうだったか=歴史性)、WHERE(どこでそうなのか、ほかの場所ではどうなのか=地理性)。そして1Hとは、HOW(どうやればいいか=対策)だ。(p13~14)
いかがですか、樋口さんのおっしゃる3WHAT, 3W, 1Hの考え方は実にシンプルで奥が深いですね。
 私たちは、認識→判断→行動→もう一度認識→…ということをくり返しているわけですが、認識→判断のときに、本当に一面的なことだけを見て(見させられて)判断してしまいます。そのことが後に大きな過ちを犯してしまうことにもなります。その時に、この3WHAT, 3W, 1Hというものを用いれば、誤った判断は少なくなるはずです。
 教育とは、そういった誤った判断を少なくさせるための訓練だと思っている私は、是非ともそういった教育をしてみたいですね。

 

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