やまと通信 10月号
〜 ゲ ー ム 理 論 〜 Vol.65
                                           
                                           

今年も六実中学校の体育祭を見学させてもらいましたが、本当にいいですね。若いエネルギーにあふれていましたね。普段、塾では見せないようなすばらしい笑顔で走り回っている姿が印象的でした。(あの笑顔を受験勉強で引き出すことは無理かな…?)ただ、競技と競技の間が空きすぎて、テンポが悪いのには興ざめしましたが…

ピーター・フランクルさん
さて、今月は、NHK人間講座の「数学の愛し方」(ピーター・フランクル 日本放送出版協会)のテキストを読んでの感想です。8月の某日、授業が終わり夕食を食べているときに、たまたま教育テレビで、NHK人間講座「数学の愛し方」という番組を目にしました。保護者の皆さんのなかにも、この番組を楽しみにご覧になっていらっしゃる方もいるかと思いますが、なかなか興味深い番組でしたので、この番組のテキストを買い、じっくりと読んでみました。
その中で、数学という学問がいかに現代社会で活かされているかという点と、日本と世界の数学教育の現状とその違い、そして将来あるべき数学教育のあり方についてのピーター・フランクルさんのお話は、非常に興味をそそられましたし、考えさせられました。

「ゲーム理論」
近代数学が現代社会に役立てられている例の一つとして、「ゲーム理論」というものが紹介されています。「ゲーム理論」とは、カードゲームなどで、片や自分の損を最小にしようとし、他方は自分の利益を最大にしようとするとき、ある「均衡点」が存在するということを、20世紀最大の天才である、ノイマンという人が、数学的に証明します。ただ、その時は単にゲームに勝つためだけのものでしたが、その後、いろいろな学者によって「ゲーム理論」は研究され、経済や政治の重要な決定時に用いられるようになります。たとえば、冷戦下の米・ソは、まさにこの理論を応用し、重要な外交上の政策や決定をしたそうです。

最後の倫理観
ゲーム理論を経済学に応用し、1990年にノーベル経済学賞を受賞した、ハルシャーニという学者がおります。この学者さんは、その後、このゲーム理論を倫理哲学の方面に応用し、意思決定理論との関わりで人間の倫理的な行動を研究します。そして最後に彼は一つの倫理観にたどり着きます。(ゲーム理論を長々と説明してきたのは、この言葉を導くためでした…)それは、いかなる見地からも、「正直であることが最善の行動になる」というものだったそうです。ユダヤ系ハンガリー人として第二次世界大戦を経験し、その後、異国の地で何とか生き延び、そしてノーベル賞を受賞した彼が最後に行き着いた言葉が「正直であることが最善の行動になる」というのは、なんとも奥深いですね。

その他にも多くのことをピーターさんの言葉から感じ、考えたのですが、いつか機会がありましたら、それらについても書かせていただきたいなと思います。

 Home   やまと通信の目次へ