やまと通信7月号

やまと通信

〜 世界標準 〜

10月号
Vol.89





 今年は各学校の運動会はすべてよい天気に恵まれました。生徒の皆さんは、真っ黒焦げになりながらも、大いに楽しんでくれたようですね。観戦しているこちらまで幸せな気分になれます。感謝!!感謝!!

  さて、夏期講習明けのテスト結果が返ってきました。満足できる成績の方が半分、まあまあの方が25%ぐらい、ちょっと残念という方25%ぐらいでしたね。夏期講習の反省といたしまして、もう少し個別のペースを大切にしてあげた方がよかったかなという感じです。私はせっかちな方なので、結構速いペースで進めてしまおう、そしてより多くの問題を解いてもらおうとする傾向があります。そのペースについてこられる生徒さんは、結構成績が上がります(2年生には、2人ほど偏差値が10以上上がっている方もいました)が、ちょっとそのペースに飲まれてしまった生徒さんは、成績が落ちてしまいました。本当にすみません。(中学3学年トータルで、3人ほど成績が落ちてしまいました。)

  やまと学院.の最大の利点は、個別の能力、ペースに完全に合わせることができることです。今後は今まで以上に、一人一人に注視し、その子のあった教材、ペースでやらせてあげたいと思います。


コンピテンシー

今回のやまと通信は今年の6月号でもご紹介しました「競争やめたら学力世界一」(福田誠治 朝日新聞社)という本を参考にさせていただきました。この本は最初から最後まで、今の日本の教育を考える上での知識や情報、刺激を与えてくれます。今回はその本の中の最終章「世界標準の学力に向けて」のご紹介と問題定義です。

1995年以降、OECD(経済協力開発機構)は、その教育研究革新センター(CERI) を中心に、「世界標準」の学力基準作りに大いに力を入れてきました。そして最近ようやくその「世界標準」ができたようです。それは、「東アジア型の禁欲的な詰め込み教育が子どもや青年の自信をなくさせ、伸びていく大事な資質を損なってしまい、かえって害になる」(p197)という判断から、「教科書の知識の習得よりも、社会に出て使える力を測定することに決めた」(p197)そしてその「実践的な能力は、コンピテンシー」と呼ぶようになったのだそうです。そして、それは「態度、動機、価値といった非認知的な要素」(p201)のことで、こうした能力は「比較することは難しいことで、段階的にしか達成できないが、その能力(コンピテンシー)を測定可能な形に置き直したものが「リテラシー」なのだ」そうです。そしてその「リテラシー」を実際に測定するテストが「PISA」なのです。

「コンピテンシーをさらに汎用性の強い三つの広領域の概念に整理して、それをキー・コンピテンシーと名づけた。キー・コンピテンシーは、『異質集団の中で相互交流する』『自立的に行動する』『相互交流的に道具を使用する』という三つにまとめられた」(p209~210)のです。


陰山英男(立命館大学 大学教育開発・支援センター教授 兼 立命館小学校副校長)

 しかし、その一方で、陰山先生は、旧来の読み・書き・計算を中心に徹底的な反復練習をすることで、大きな成果をあげていますよね。

 成果を、先の態度、動機、価値というもので測ったとしても、おそらくフィンランドの子どもたちに引けを取らないのではないかと思うのです。しかし、授業風景の写真などを見ますと、まったく違います。方や全員で日本国憲法を暗唱しています。他方では、熱心に勉強してる横で鬼ごっこをしている子どもがいます。どちらが正解なのでしょうか?
この問題は非常に興味深い問題ですので、来月、さらに考えてみたいと思います。






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